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04|つくる人、直す人、残す人 「器を未来へ渡す仕事。」

古い器が今も残っているのは、
丈夫だったからだけではありません。
誰かが大切にしてきたからです。
そして、これからも残していくためには、
器を知る人、扱う人、直す人の存在が欠かせません。

古い器には、長い年月の中で傷がつくことがあります。
欠けることもある。 時には割れてしまう。 それでも、修理によって再び使えるようになる器があります。
日本には、壊れた器を直しながら使ってきた文化があります。
金継ぎも、その代表的なひとつ。
割れや欠けを完全に消して新品のように戻すのではなく、その痕跡を景色として残す。
「壊れたから終わり」ではなく、
「壊れたあとも使い続ける」 という考え方です。

これは、これからの器づくりを考えるうえでも、大切なヒントになります。
現在の陶器産業は、原材料費や燃料費、人件費などさまざまなコストの上昇に直面しています。
また、産地では後継者不足も課題になっています。

技術を持った職人がいても、その技術を次の世代へ伝えられなければ、長い歴史はそこで途切れてしまう。
だからこそ、器を買うこと、使うこと、修理することにも意味があります。
一枚の器を選ぶ。
その器を毎日使う。
壊れたら、直せる方法を考える。
そして、いつか誰かに渡す。
それは小さな行動ですが、つくり手の仕事を支え、技術を残すことにもつながります。
器は、完成した瞬間が終わりではありません。
誰かの食卓に置かれたときから、次の物語が始まります。
古伊万里が何百年もの時間を越えて私たちの前にあるように、
今つくられている器も、何十年後、何百年後に誰かの手に渡るかもしれない。

残すためにつくる。
使うために残す。
その循環を、今の暮らしから始めてみたいと思います。
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