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02|一枚ずつ違うから、選びたくなる

 「完璧じゃない。それが、古い器の面白さ。」
お店で器を選ぶとき、私たちはつい「きれいなもの」を探します。 
傷がない。 色が均一。 形が整っている。
現代の器では、それが当たり前かもしれません。 け
れど、古伊万里を見ていると、少し違う価値観に出会います。
線が少し揺れている。
染付の色に濃淡がある。
同じ柄なのに、隣の器とは少し表情が違う。
それは、職人の手によってつくられた証でもあります。

江戸時代の器は、今のように工場で同じものを大量に均一生産する時代のものではありません。
土をつくり、形を整え、絵を描き、釉薬をかけ、焼く。
ひとつひとつの工程に、人の手と経験がありました。
だからこそ、器には個性があります。
現代のファッションでも、古着やヴィンテージには「一点もの」の魅力があります。
古い器も同じ。
「この柄が好き」
「この色のにじみが好き」
「この少し歪んだ形がかわいい」
そんな、自分だけの基準で選ぶことができます。

若い世代にとって古伊万里が面白いのは、骨董の知識がなくても楽しめるからかもしれません。
最初から「これは何年代の何様式」と覚える必要はありません。
まずは、好きかどうか。
朝、どんな料理を盛りたいか。
手に取ったとき、気分が少し上がるか。
それで十分です。

もちろん、古い器には欠けやひび、修理跡などがある場合もあります。
だからこそ、購入するときには状態を確認し、実際に食器として使える状態なのかを確かめることも大切です。

古い器を「完璧なもの」としてではなく、「時間を生きてきたもの」として見る。
その視点を持つと、少しの色ムラや使い込まれた表情まで愛おしく見えてきます。
器選びは、もの選びであると同時に、自分の感性を選ぶこと。
一枚ずつ違うからこそ、出会う楽しさがあります。
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